男性下着の歴史【ブリーフ編】
3回に渡って日本や世界の男性下着の歴史について触れてきましたが、今回は日本のふんどし文化を塗り替えたといっても過言ではないブリーフの歴史についてです。
ブリーフの発祥は1935年のアメリカ
1935年1月19日にシカゴの下着メーカーのクーパーズ社が同地のマーシャルフィールズ百貨店で売り出したのが最初です。
販売初日の正午までには600着、翌週には1,200着以上、さらに3か月で30,000着を売り上げる大ヒット商品となりました。
それまでの運動用の下着(サポーターや ジョックストラップ)から派生させ、その機能を訴求するために乗馬用の下着から名を取り、ジョッキー(Jockey)という名で販売していたそうです。
ブリーフより、ジョッキーという名の方がカッコいいですね。運動用の下着からの派生というのも意外な一面でした。
イギリスではオリンピック選手の支給品の一つに!!
1938年にイギリスでも、ブリーフ型の下着が売り出され、3,000着が毎週売れるほどまで市場は成長し、1948年のロンドンオリンピックではイギリス代表チームが支給品の1つとして、男性選手にブリーフが1着ずつ配られるほどでした。
イギリスでは、ジョッキーという名前ではなく、Yフロント(Y-fronts)という名前でした。
一方、ドイツ語圏、フランス語圏やスペイン語圏などの欧州大陸では、これに当たるものをスリップと呼ばれていたそうです。
名前が違うとそれだけでおしゃれに感じられます。
日本でも爆発的に浸透!しかし、どの商品にも栄枯盛衰が…
日本国内では、1950年代中頃(昭和30年代)より登場し、流行に敏感な青年層を中心に爆発的に浸透。
その身体に沿った斬新なデザインとこれまでの下着にはなかった穿き心地や機能性から、若年層を中心に、それまでの男性下着(トランクス、猿股、褌)を駆逐しました。
その後、カラーブリーフ、ビキニブリーフ等の派生商品も登場し、1970年代には全盛期を迎えたそうです。
ここがまさに日本のふんどし文化から革命が起きたところですね。
70年代にはあらゆる世代に浸透、これによりふんどしは絶滅寸前へと追いやられることになってしまいました。
しかしそんなブリーフの天下も長くは続きませんでした。
1980年代より人気は少しずつ冷めていきます。
流行を作り出した若者たちはその普及ぶりを嫌い、今度はトランクスへと回帰しはじめていきます。
特に決定的だったのが、1981年に起きた深川通り魔殺人事件。
逮捕された容疑者が白ブリーフにハイソックスという異様な出で立ちで、後ろ手に手錠を這わされて連行される犯人の様子が新聞の一面で報道、全国放送。
世間の耳目を集めたことで、雑誌や投稿欄はこの事件についての記事で溢れ、ブリーフ姿で連行される姿の異様さが自分のブリーフ姿とオーバーラップし、その嫌悪感から日本でのブリーフ人気に終止符を打ったとされています。
最後に
私が小学生の頃はクラスメイトもまだみんなブリーフという時代でした。
しかしながら、私の息子はおむつが取れたころからおしゃれな柄のボクサータイプです。
身に着けるものにも世相や時代の移り変わり、世代差を感じますね。
ボクサーパンツ、ブリーフ、トランクスなど男性下着は各々流行り廃りはあるものの、流行っているものが必ずしも自分の体形や肌に合うとは限りません。
今の時代は多様な形状やデザインの中から状況に合わせて適切なものを選択し着用するという考え方が浸透してきているように感じます。
ふんどしパンツもボクサー型とビキニ型のアイテムがありますし、タイプによって使用している素材も異なります。
毎日を快適に過ごせるよういろいろな下着を試してみて、お気に入りの一枚を探すのもおすすめです。
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投稿者プロフィール
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趣味:スポーツ観戦(メインはモータースポーツ全般、プロ野球、スキージャンプ)
最近は息子と虫捕り、キャンプに行って焚き火を眺めることにハマってます!
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