「デスクワーク・パソコン用メガネ=老眼鏡」ではない
皆さん、デスクワーク用・パソコン用メガネというと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
以前は老眼鏡、近年はPC(ブルーライトカット)メガネが思い浮かぶかと思いますが、実はそれだけではないんです。
生活環境の変化
現代はひと昔では考えられなかったほどの情報が氾濫しており、現代人が一日に触れる情報量は平安時代の一生分、江戸時代の一年分とも言われ、年々そのスピードと量は加速しています。
人間は五感からそれぞれ情報を得ていますが、全体の8割以上は視覚から獲得されており、それだけ現代人は眼を酷使しストレスにさらしているのです。
ある眼科医からは
「人類史上始まって以来の近業時間が増加している」
「『スマホ内斜視』が増えている」
「直進の凝視ばかりで、周辺視野への感知が遅れる」
精神科医からは
「近見業務により入力情報が入るばかりで、『片づける』『捨てる』ことができない人が増える」
そんな懸念をされているという話を聞いたことがあります。
一日中パソコンに向き合っての仕事、高齢になってからも車を運転せざるを得ない家族構成、お子様はスマホやタブレットで長時間のゲーム・動画視聴や勉強(オンライン授業)など、昔からすると想定外の生活環境だといえます。
眼の役割
眼は角膜・水晶体を経て網膜に映像を映し出し、電気信号に変換して視神経を通じて大脳に送り、「ものが見える」ことになります。
そして見たものの情報を認知し分析や対応をするため、ピントが合っていなかったり、両眼のバランスが悪く左右の情報がずれていたりする場合には、まず映像処理をしてその余力で情報処理にかかるため能率が下がるそうです。
そのため、より多くの時間がかかったり、限られた時間の中では収集できる情報量も少なくなることから肝心なデータを見落としたりミスが出やすくなります。
見ることによる疲れと影響
中学生で問題の多い生徒の中には、遠視の割合が極めて多いという報告があるそうです。
調節力のある若年層の遠視は、それを使い意識を集中すればある程度は見えますが、遠くを見るにも近くを見るにも集中しなければならないため、黒板を見るにも教科書を読むにも脳での情報処理がより多く必要となります。
そのせいで見るだけで疲れてしまい、面白さや学ぶ喜びを感じるところまで行きづらく、脳が映像処理に手間取り、理解が遅くなり、注意力も散漫になりやすいとの説明は、私たちにも大変理解しやすく、深く納得できる話です。
このことは何も遠視の場合に限ったことではなく、近視・乱視・老眼でも心当たりのある方はいらっしゃるかと思います。
ストレスを感じにくいメガネの必要性
眼のストレスは脳のストレスになり、脳のストレスは筋肉に伝わって肩こりや頭痛にも繋がります。
それを軽減させるためには、目的に合ったメガネを使い分けることも重要になります。
マラソン大会に出場するのに、ビジネスシューズやヒールの高い靴を履いていくでしょうか?用途に合わせた専門化された道具によって、成果を出したり、楽にできるようになるのです。
例えば、空気椅子の状態で机に向かっても、肉体が緊張状態になってしまい、勉強や食事どころではないはずです。
眼自体にも全く同じことが言えますが、残念ながら近くを見ることによる眼の緊張は自覚しづらいものなのです。
このことが十代の近視進行の原因にもなっているようですが、現在の生活環境を見る限り避けては通れなさそうな状況です。
ですから、たとえ老眼でなくても、ストレスを感じにくいメガネというのは必要なのです。
「リラックスメガネ」という考え方
若い方からご年配の方まで、「リラックスメガネ」という共通のキーワードでメガネ生活を始めてみてはどうでしょうか。
日常生活用、運転用、ゴルフ用、室内用、パソコン用、読書用、ネイル用等々、目的距離に応じてそれぞれ使い分けるのが理想的ではありますが、それほど多くのものを管理し都度かけ替えるのは大変ですので、とりあえず2,3本ぐらいを用途別に掛け替えるのがおすすめです。
10代から40代前半の方におすすめの調節力サポートレンズから中近・近々といったレンズまで実に様々なレンズがありますので、眼鏡店でぜひ相談してみてください。
生活習慣でなんとなく眼に関係のないようなこともお話しいただくと、案外その他の体の不調に対する問題解決につながることもあるかもしれません。
私は今年47歳になりますが、2年ほど前から遠近両用・中近両用メガネを使い分けて生活しています。加齢という現実を前向きに受け入れることで、いろいろと楽になることも多くあるんですね(笑)
まとめ
いかがでしたか?
ご自身の年齢によってはデスクワーク用・パソコン用の提案には抵抗感を感じられる方もいらっしゃると思いますが、眼は人にとって本当に重要なものです。
起きている間ずっと働きつづけている眼をリラックスさせることは、肉体的にも精神的にも良い影響を与えます。
私自身小さい子供もおりますので、我が子にとって何を優先するべきなのか、親としての役割についても根本的に見直す必要性を実感しているところです。
まずは目を休ませる時間をしっかり確保すること、その上で道具で何とかできる部分は素直に頼り、日々の生活を元気に楽しく過ごしていきたいものです。
(参考文献:豊福厚至著「眼鏡のはなし」)
投稿者プロフィール
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メガネ屋でもありパンツ屋でもあり・・・。
SS級認定眼鏡士として、「メガネプラザ」「グラスヒュッテ」というメガネ屋の売場にも立ってます。
只今肉体改造計画中。痩せてく一方の体を健康的に大きくする良い方法があれば是非教えてください!
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